2009年4月アーカイブ

大倉舜二『EMMA/杉本エマ』。


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1971年9月初版。

毎日新聞社発行。


プライベートシリーズの2冊目は、モノクロオンリー。

大きくわけて虚構と現実、それぞれの世界に生きるエマの姿を捉えています。

表紙(デザインは池田満寿夫氏)のように夢幻的なショットもありますが、自室でくつろいだり、お風呂に入ったりといったような、日常的なショットがほとんど。

撮影を担当した大倉氏は雑誌『ミセス』での料理写真の印象が強かったので、こんなふうに女性を撮っていたというのが、ちょっとおどろき。

経歴を見ると、でもいろいろ撮ってた人だったんですねー。

本書にはエマ自作ではありませんが、数編の詩と1編のエッセイが収録されています。

彼女の内に秘めた感情にも読者が思いをめぐらせられるようになっていて、中でも、

  ある晴れた朝 突然に 何とも学校がつま
 らなくなっちゃって それで学校へ行くのを
 やめちゃった それからずーっと 一人で暮
 らすようになった その朝はいつだったか 
 そんなこともう ハッキリとは覚えてないよ
 中学2年の終わりころだったっけな どうし
 てって そんなことわからない でもね そ
 れまでは優等生だったのよ それにバスケッ
 トの選手だった 

と回想していくエッセイ「エマのプライベート」がいい味わいです。


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立木義浩『私生活/加賀まりこ』。


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1971年6月初版。

毎日新聞社発行。


カメラ毎日別冊プライベートシリーズの1冊目。

カラー&モノクロ。

ご本人が身につけたパンツには時代を感じますが、小悪魔的魅力たっぷりの加賀まりこが楽しい。

シリーズ中、いちばん凝ったつくりで収録カット数も多いです。

わざとNGな表情のカットもあります。

でも、どうかなあ。

当時としては冒険だったのかもしれないけど、外すならそれなりにきっちりと演出しないと、どうもかっこわるくなっちゃうんで。

編集者、ちょっとツメが甘かった(失礼)か。

とはいえ。

中山千夏、篠田桃紅他、大御所のおちついたエッセイも収録されているので、眺めてよし読んでよしと内容は濃いです。

特によかったのが、撮影期間中を恋愛に置換してつづった「まりこの日記」。

書き手は加賀まりこの親友、安井かずみ氏。

彼女の作った「私生活」は、ナルシシズムがナルシシズムに終らず、きちんと起承転結をもって完結しています。

その感覚と構成力、ただものじゃありません。

実は本書を手にするまで、今ひとつ興味が向かなかった(失礼)のが撮影の立木義浩氏でした。

すいません。

インタビュー読んだら、考えが変わりました。

実に明快で、かっこいい。

写真家もそれぞれ葛藤して、ものを作っていく人種なのだなあと思いました。


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行ってきました、きのう、東京キネマ倶楽部

昔から大好きなバンド、カーネーション

ジェイソン」発売記念スプリングツアー2009シメのライブです。


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ライブ情報を知ったのがつい最近だったので調べたら、チケットは、

前売り4500円(+ドリンク代500円)。

当日5000円(+ドリンク代500円)。

オールスタンディングでこの値段かっ。

と思わないでもなかったですが。

しかし。

今回の会場は鴬谷。

田原町に住むわたしにはびっくりするほどご近所です。

これなら、行ってチケットがあったら入ればいいじゃ〜ん。

と、ゆるい姿勢でのぞめるというもの。


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そこで、当日夕刻は17時過ぎに到着。

スタッフの方に聞いたらば、当日券はまだあるとのこと。

買いました。

それで入りました。

もとグランドキャバレーだったといういかした会場に。

そこにはこれまたいかすドラ(巨大)がおいてあって(すごいとこだぜ)、


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このドラを合図に、ライブが始まって終わりました。

この日以外ありえないステージとはこのことだったんですねー。

生まれて初めて生のドラを体験しましたよ。

耳から入った重低音は内臓までも振動させる感じ。

ライブ中、花柄のシャツをお召しになっておられた直枝氏は、アンコールではTしゃつ(ピンク)で登場されました。

これが意外なほど似合わないのを今回、発見(失礼)。

ベースの大田氏(もとグランド・ファザースとは!『Slit NO1』は名曲)は似合ってたんで、髪型とかの問題(ほんとすいません)でしょうかね。

ともあれ、直枝氏も50歳。

ちょっとおつかれ気味ではありましたが、でもめちゃくちゃかっこいいライブでした。

終了後はその余韻のまま、足取りも軽く、歩いて家まで帰りました。

歌いながらだったんで、はた目には酔っぱらいに見えたかもなあ。

ああ。

ほんとに。

何をどう書いたらいいやら。

ライブは時間にすれば2時間に満たないぐらいの間。

その時間、おそろしく幸福で、幸福でした。

『ぼうふら漂流族』も『LEMON CREAM』もよかったけど、やっぱり魂のナンバーワンは『夜の煙突』!

メロディ&アレンジの何ともいえなさはもう奇跡の領域。

(さらに奇跡なのは『夜の煙突』旧バージョンです)

この一曲を思い出すだけで全身を幸福感が駆けぬける。

今も。

ライブといえば渋谷、新宿ととかく西側開催な印象でしたが、もうちがうんですねい。

それでも鴬谷とカーネーションの取り合わせは、やっぱり不思議な味わいですが。

直枝氏の『ドンキー日記』によると、打ち上げも朝まで鴬谷だったとか。

あの辺の居酒屋に直枝氏。

うーーん。

不思議だ。



英国からの荷物

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どきどきしながら待っていた、英国からの荷物が届きました。


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厳重な梱包をあせらず、あえてゆっくりとといていくと、


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現れるもの。


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ティーポット。

英国は1920年代の生まれ(らしい)。

うっとりするほど美しく、大容量1.75リットル。

完璧です。

あとは、しまう場所をどうするか、だけ……。



皐月賞

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久々きました、勝利が。


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アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ『城の中のイギリス人』。

澁澤龍彦訳。


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1982年3月初版。

白水社発行。

現在、新装版でよみがえっています。

リンク先も、すいません、新装版なんですけど、もしも買うのなら、ぜったいぜったい旧版(画像のやつ)がおすすめです!

日本の古本屋』で探せば見つかります。

古本アレルギーでないなら、ぜひに。


語り手である「私」は、かつて英国の外交官だった男モンキュの城に招待される。
彼はそこで、ある種の実験に没頭していた。
その実験は「私」にも興味のあるものだというのだが……。

「ガムユーシュへおいでの節は」とモンキュが私にいったものである、「潮の時間を十分おしらべになってください。通路は大抵いつでも水びたしで、引き潮の二時間ほどのあいだしか通れないんです。だから、こうすればよろしい。まず『男根の灯台』という地方新聞を買う。これは土曜日に出るのですが、サン・コワ・ド・ヴィにおける上げ潮、引き潮の時刻を一週間分すっかり教えてくれます。この時間表の数字に二十分足せば、ガムユーシュでの潮の時間が正確にわかります」と。

始まりの文章に、さらっと『男根の灯台』なる言葉が入るように。

ついでにサン・コワ・ド・ヴィも、ガムユーシュも、大っぴらに口にするのがためらわれる意味をもつ言葉であるように。

もし映像化されたら、Rいくつで許可がおりるのか見当もつかないほど、性的で、あまりに犠牲の多い残酷な物語です。

なのに、一文字一文字をじっくりと、なめるように味わってしまう。

すさまじいけれども美しい。

読み出したら一気に引き込まれてしまいます。

惜しいのは、澁澤龍彦といえど昔の人なんで(失礼)、台詞に若干今ひとつな部分があること。

この辺りは、生田耕作訳(アマゾンのレビューに大ネタばれ箇所があるんでリンクは控えさせていただきました)とくらべてみたいです。

読んでいて思い出したのがレクター博士です。

彼と城の主モンキュはどこか通ずるものがある。

レクター博士の出生は、おそらく主のそれより幸福だったと思いますが。

正確な原題は『閉じられた城の中で語るイギリス人』。

マンディアルグというフランス人が視た、城の主であるイギリス人。

そのイギリス人が語る母国と欧州のその他の国々、戦争、過去。

異国に生まれたわたしではわからない、からまりあった歴史の気配。

物語は実に奥行きを持っています。

マンディアルグ、おそるべし。



今日の名人

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行く春や

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行く春や


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鳥鳴き 魚の目は涙


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今年の春は、短かった。

春の名残を惜しむ芭蕉のこの句、まさしくだよなあと思います(しみじみ)。

画像は南千住からのぞんだ隅田川対岸の千住曙町。

水色の建物群は造船所です。

すっかり整備されて、高層マンションがぼこぼこ建っているこの辺りは、昔から『七番』のロケハンによくきてました。

当時あったものと今はもうないものを思いながら、川沿いの遊歩道を歩いた午後。

はや初夏の陽気。



2009年の桜

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先日、トルコのお菓子をおみやげにもらいました。


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ターキッシュ・デライト、ダブルヘーゼルナッツ味です。


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箱のふたを開けると、こんな感じにぎっしりとつまっていて、


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1つの大きさはだいたい1.5センチ辺り。

トルコのゼリー菓子といったところでしょうか、食感はくるみゆべしに似ています。

もっちりと甘く、ヘーゼルナッツの歯ごたえがまたうれしい。

激うまです(力説)。