2009年5月アーカイブ

日本ダービー

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きましたロジユニヴァース。

勝利はいつでも快いものです。



シナリオ悪霊島

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清水邦夫『シナリオ悪霊島』。


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1981年10月初版。

角川書店発行。


「鵺の鳴く夜は恐ろしい……」でおなじみの映画『悪霊島』のシナリオです。

原作と映画は別ものとはいえ、原作の後にシナリオを読むと、物足りなさをおぼえます。

これは映画でもそうでしたが、犬がちぎれた手首をくわえて走ってくるとか、腸があふれてる死体とか、あおってくるわりには効果がうすい。

特に、巴御寮人のふたごの姉のトリックはいけません。

清水氏はあまり推理ものが得意ではなかったか、頭がよすぎたか。

吉太郎の部屋の壁の殴り書きはいい味出してるんですけど、哲学書がたくさんあるという設定は、ちょっと、今読むと時代を感じてしまいます。

いちばん知の部分から遠いかに見える人物が時代と対峙し、叫ぶ。

というのはすごくいいんですけどね。

しかし彼の幕切れが……惜しいです。

たぶん、作家としては、過去の因縁や血の惨劇なんかはどうでもよくて、戦後という時代、高度経済成長という時代を描きたかったのでしょう。

その思いと原作の魅力がはまればよかったのに。

いやー、難しいです。

名作といわれるものを作るのは。



チャンピオンズ・リーグ2009の決勝は、ともにリーグ優勝を果たしたバルセロナマンチェスター・ユナイテッドの、まさしく王者が対決する夢の頂上決戦でした。

ユナイテッドはとにかく試合巧者なんで、まず1点を奪うと思ってました。

その後はむだのない、うまい試合運びをする彼らに対して、バルサがどう立ち向かっていくのか。と。

でも先制点はバルサでした。

あれで一気に試合がおもしろくなると思ったんですが、まさか、ユナイテッドが最後まで圧倒されてしまうとは。

ディフェンス、どうしちゃったの?

というぐらい後手後手な動きは、見ていて信じられなかったです。

対するバルサの攻撃ときたら、めちゃくちゃ勢いがあって、でも粗野でなく洗練されてて美しい。

特に2点目を決めたメッシはすごかった。

もう問答無用に輝いてました。

それはチェルシー戦もだったけど。

もしやと思ったら、すでにブログが更新されていました。

今年はメッシのための一年かもしれません。

我々は、自分たちより優れたチームに敗れたのだ」とのファーガソン監督のコメントはほんと、その通り。

まさしくバルサは勝つべくして勝ったのです。

でも、さびしい。

どっちが勝ってもよかったんだけど、彼のゴールが見られなかったのは。

クリスティアーノ・ロナウド。

あなたのゴールが、わたしは見たかった。


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悪霊島

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横溝正史『悪霊島 上巻』『悪霊島 下巻』。


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1981年5月初版。

角川書店発行。


人探しの依頼を受けて岡山にやってきた金田一耕助。
しかし、目的の人物はすでに死んでいた。
「鵺のなく夜に気をつけろ……」という奇怪な言葉をのこして。
いったい鵺とは何をさしているのか。
過去の思いと欲望が渦巻く瀬戸内海の小島に、今、血の雨が降り注ぐ。


75歳から書き始め、77歳で脱稿という本作。
さすが横溝正史というか、衰え知らずというか、全編を通しておどろおどろしさいっぱいです。

最初に読んだ中学生の頃は、そういう派手な構成にわくわくしたものですが、今改めて読んでみると、またちがう魅力があることに気付くのです。

粗も見えちゃうけどね。

何でいきなりここで真相がわかっちゃうんだろうとか。

何で殺されなきゃいけなかったんだろうこの人とか。

正直にいうと、完成度が今ひとつではあるんですが、登場人物がめちゃくちゃ多いわりにそれぞれの事情や気持ちがていねいに描写されて、物語に織り込まれているのでおもしろい。

展開に目新しさはなくても(横溝作品の読者ならおわかりですね)、金田一耕助はじめ、一人ひとりがちゃんと読み手の心に入ってくる。

ああ、そういえば金田一耕助はけっこういじわる。

実直でいい人なんだけど、やっぱり推理の働く人っていうのは、油断ならんと思いましたよ。

という中で、いちばんひかれたのが吉太郎でした。

次が巴御寮人。

映画ではこの二人をずしっと中心において物語を組み立てていますが、今回読み直して、納得。

この出口のなさ、めちゃくちゃいいです。

巴御寮人はいつでも甘ったれで弱くて、ずるい。

そんな彼女を許しちゃうから孤独と閉塞感で苦しむのに、吉太郎はくりかえし許しつづける。

それは愛情というより、彼もまた弱いから。

いいなあ、吉太郎。

このことは、自分でも意外だったんですが、ある程度、年をとらないと見えてこないものがあるということなんでしょう。

先を急ぐことなくゆっくり読んで、本作の上巻のレベルの高さにおどろきました。

あせらず、むだにじらさずで、しかも切れがいい。

特に上巻の終わりがみごとです。

このレベルで下巻もいけたら駄作とはいわれなかったろうに、やはり体力が続かなかった。か。

そのうち、『獄門島』を再読してみようと思います。




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お茶の水橋から

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三社祭

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気がつくと、今年もやってきましたこの時期が。


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ちなみに今日のペリカンも早々と完売したもよう。

どこかのブログで「浅草にきたついでに寄ったら、売り切れていてショックだった、前は買えたのに」との嘆きを拝読しましたが、そうなんです、近頃のペリカンの人気ときたらすさまじくて、お昼にはもう完売しちゃうのです。

もうちょっとのんびり買えたらいいのにな。とは思うものの、予約必須。

ここの味をおぼえちゃうと、そこらのパンでは満足できなくなりますからねい。


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明日はみんな、朝から酔っぱらうんだろうなあ。

いやそれとも。

徹夜で呑んで、そのまま御神輿をかつぐのか。

いずれにしても、老若男女が正々堂々と酔っぱらえる、浅草はよい街です。



ヴェニス

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篠山紀信『ヴェニス』。


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1981年4月初版。

新潮社発行。

本書は吉行淳之介『ヴェニス光と影』と対になっていて、『光と影』はハードカバー文庫、ついでに、魁星出版から出た『ヴェニス光と影』(2006年刊)なんていうのもあります。


ヴェニスとその周辺の島や貴族の館を大判オールカラーで収めた豪華な一冊。

ここに、沢渡氏と別れて10年後のナディアが登場します。

現地通訳兼案内役として。

もともと彼女と篠山氏は親しかったらしく、撮影の通訳兼案内役をやるのは、今回で二度目になるそうです。

意外な気もしましたが、本書に収録されている篠山氏のエッセイ(これまた意外な発見なんですが、実にいい文章ばかり)を読むうち、なるほどなーと納得。

「ナディアはヴェニス大学の日本語・日本文化科に通う女性で、日本にも何度か来たことがある。大変な美人なので、日本ではモデルのアルバイトをしながら結 構楽にやっていた。美人でもここではぼくの助手だから、こき使われる。とても責任感の強い女性なので、ぼくが言いだしたことはどうにか適えようと、すさま じい努力をしてくれる」

「ナディアはいつもちがったレストランへ行く度にメニューを頭から訳していかなくてはならないのと、ぼくたちの注文量の多さにうんざりして、
「イタリア人はこんなに食べないわよ」
 と、なげやり風に言うのだが、やはり旨いものには目がなく、大そうな量をペロリと平らげてしまう」

という具合に、たびたび登場します。

「ナディアのことをもう少しくわしく話そう」と始められる、「ダニエリ・ホテルのナディア」と題された一文には、「H」と氏名は伏せてありますが、沢渡氏との出会いと別れ、その後偶然再会したときの様子(このときが最初の通訳兼案内役)も書かれています。

本書はナディアのことを知らなくても、十分美しいし楽しめる仕上がりです。

でも。

ページをめくるごとに、この裏に彼女がいたのかと思うと。

ヴェニスの青はより青に、水の揺らぎをよりリアルに感じます。

過去の思いを断ち切れない女性と沈みゆく街はあまりにも似合いすぎる。

と、写真家も考えたのか、ナディアのショットもあります。

最終日、篠山氏が出した最後の注文が写真のモデルになること。

そのとき、彼女は、

「もう、おばあさんだから」

といって渋ったそうです。

なんと「らしい」表現!

最後のエッセイ「終りに」は、以下のようにしめくくられます。

「ホテルの美容院から出て来たナディアをみて、あまりの美しさにぼくと助手のNくんは思わず拍手をしてしまった。これが昨日まで髪を後ろにたばねて、皮ジャンパーで飛び回っていたナディアだろうか。
 空には雲ひとつない。黒いドレスから露出した肌が風邪のためと寒風のためにカサカサにささくれ立っている。ナディアはホテルのバルコニーからのめり出して運河をみている。大運河にあんな白波が立っているのを、今日はじめてみた」

人を思う激しい気持ちというのは、確かに存在するのでしょう。


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Nadia in Sicily 1971 

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沢渡朔『Nadia in Sicily 1971』。


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2004年4月初版。

蒼穹舎発行。


森の人形館』から31年後に出版された、もう一つの「ナディア」。

物語色の濃かった前作とは趣ががらっと異なる上、オールカラー。

シチリア島の人々を撮ったショットがめちゃくちゃいいです。

おなじみの白い僧衣をまとったナディアも登場しますが、吸い込まれそうに青い空のもとではやや分が悪いか。

むしろ、普通の服を着ている彼女の方が合っています。

あるいは、翌朝とおぼしき、裸で窓に立って笑う姿の方が。

旅先での二人それぞれの思いがほの見えるようです。

沢渡氏のインタビューも読んでみてください。


nadia-sicily02.jpgのサムネール画像


















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つづく。




沢渡朔『ナディア 森の人形館』。


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毎日新聞社発行。

1973年2月初版。


プライベートシリーズ3冊目(これで最後かな?)は、オールモノクロ。

少女アリス』で写真集に目覚めた中学生の頃。

本書にも当然興味が向いたものの、いざ手に取って、呆然。

これは、あまりに愛の密度がきつすぎる。

と、購入を見送った過去を経て、ようやく最近、古書店で手に入れて改めて見てみたらば、激しさよりもむしろ穏やかな印象を受けました。

穏やかで無邪気だなと。

巻末に収録された「日本語で書かれたナディアの手紙」(これがまたすばらしい)では、撮影当時、沢渡氏とナディアが恋愛関係にあったことが書かれています。

すでに売れっ子のプロのモデルだったとはいえ、沢渡氏のカメラに向けた彼女の表情は、とても解放されていて、どんな状態の姿でもおそれを感じさせない。

野外で裸とか、街中で露出とか、勇気のいるショットだと思うんですが(でもなれると快感になるのかな野グソも実は開放感いっぱいでいいと聞くしなー)、彼女は自然に見える。

「恋しているわたしを見て!」というよりも、もっと子供っぽい欲求に駆られちゃったように。

でもときおりすごく年をとったような表情のショットもあって、それがめちゃくちゃいいです。

終わりが始まっていく予感に満ちた本書、編集も完璧です。

ただ。

問題は本のとじ。

本文写真を開いて撮影してたら、背がわれました(号泣)。

前の2冊は平気だったのに。

なぜいちばんの傑作が、いちばんナローなつくりなのか。

神よ!


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つづく。