の最近のブログ記事

Hong Kong Corner House

| | コメント(0)
Michael WolfHong Kong Corner House』。


hk-cornerhouse01.jpg






















2011年初版。

香港大学出版社。


hk-cornerhouse02.jpg






















右ページに建物、左ページにその建物情報。

たまにちがう角度から撮った同じ建物のショットもありますが、基本はこれ。

詳細かつ簡潔にまとめられたデータは、場所、建築年、何階建てて何に使われている建物か、に加えて、建築家の名前にまで調査が及んでいます。

不明も多いけど、意外に同じ人が手がけていたりするのが発見でした。

勝手に建てられているようで、実はそんな単純でもなかったのだなあと。

さすが大学の出版社。

ノスタルジーだけにとどまらない、確かな知の情熱を感じる一冊に仕上がっています。


hk-cornerhouse03.jpg






















余談ですが、写真家のマイケル・ウォルフ氏は東京も撮っているんですね。

題して『tokyo_compression』。

本書の写真とは正反対の、対象物へ密着した視点がすさまじいです。



John Choy『Lower Ngau Tau Kok Estate』。


ngautaukok-01.jpg















2010年6月初版。

Asia One Books発行。


版元の名前にみおぼえがあると思ったら、マイケル・ウォルフ香港裡外』と同じとこでした。

いい編集者がいるんですね。

今は取り壊されてしまった、九龍の古い団地、牛頭角下邨に住む人たちとその日常を静かに、しかし鮮やかに伝えた写真集です。

クローズアップはなし。

魚眼レンズ、引きのショットで、見開き2ページを使って展開される光景は、見れば見るほど本と現実の境界を忘れて、自分がその場に立ってそこを見ているかのような錯覚に陥いらせてくれます。


ngautaukok-03.jpg
















こんな具合に、部屋の中の人間も、部屋の外の通路の奥を歩いている人間も同じ一瞬に切り取られています。

「今、ここにいること」を伝えるのに、なんて有効な手法なんだろう。


ngautaukok-02.jpg















こんなとき、思い出すのは九龍城砦です。

あの場所もこの手法で切り取れたら、もっといろんなものを内包して、伝えられたかもなあ。

と、この先、新しい技術とか手法に出会うたびに同じことを考えてしまうんでしょう。

それはそれ、これはこれで。

今は、本書と出会えた幸運をすなおに喜ぶとき。

没入しましょう。

あるいは。

どっかで見かけたら、ぜったいページを開いてみて。


たまらない気持ちになりますよ。


John Choy『Lower Ngau Tau Kok Estate



西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』。


book-saibara01.jpg





















2011年6月初版。

角川文庫


鬼才、西原理恵子が語るお金と人生。

子供向けの本書はしかし、いい年ぶっこいた大人が読んでも得るもの大です。

泣くもよし、次の一手を打つ後押しにするもよし。

この先、人生の立ち位置があやしくなったら、わたしはこの本を開こう。

惜しいのは、本書が聞き書きであること。

西原氏は何しろ表現が独特なので、つたなくても本人の文章で読みたかった。




20120226-01.jpg





















今朝の食卓。

ゆうべは徹夜で読書(画像にうつってるあれです)。

午前5時に就寝して、5時間後に起床しました。

今は午後半ば。

あとしばらくしたら、夕飯の買い出しに出なくては。

今日の大阪はストーブいらずであったかいです。



病床のおともたち

| | コメント(0)

20120130-01.jpg























リヴァイアサン

| | コメント(0)
スコット・ウエスターフェルド『リヴァイアサン』。

小林美幸訳。


book-leviathan01.jpg





















2011年12月初版。

早川書房発行。


ダーウィニスト(遺伝子操作で生み出した人造獣が武器)対クランカー(蒸気機関その他の機械が武器)が争う、二十世紀初頭のヨーロッパ。

両親を暗殺されたオーストリア公子アレックが家臣とともに逃亡している頃、英国では男装の美少女(たぶん)デリンが航空隊の入隊試験へと向かう……。


本書裏表紙の解説によれば、

「奇妙なテクノロジーが彩る第一次大戦下の世界で、少年と少女の成長と絆を描く」

そういう物語であるようです。

わたしは、どうものれなくて、序盤で本書を閉じてしまいましたが(すまん)。

訳がちょっと固かったのかなあ。

登場人物に魅力がなかったのかなあ。

いや、著者とセンスが合わなかったんだな。

残念。

でも本の作りは凝ってるんで、見かけたら手に取ってみることをおすすめ。



幻影の書

| | コメント(0)
ポール・オースター『幻影の書』。

柴田元幸訳。


book-geneinosho01.jpg





















2011年10月初版。

新潮社発行。


飛行機事故で家族を失い、絶望の底へと沈むに任せていた大学講師デイヴィッドの日々は、ある喜劇映画との出会いをきっかけに変化する。

再生と希望の物語。


現実に自分とその人生に絶望している人は、本なんて手に取らないだろうけど、読んでみるといいだろうな、と思ったのが本書。

ついでにオースター作品は男目線なので、男の方が実感こもる。やも。

正直、わたしはその辺りが苦手なんですけど、本書の男目線は大丈夫でした。

作中で明かされる喜劇俳優/映画監督(主人公の人生を変えるきっかけになった)の半生がもう強烈で。

読んでる間中、心は完全に作家の掌中に持ってかれました。

とはいえ、途中から難しい部分も出てきましたんで、オースター作品はやっぱり手強い。

しかしそれも、男の読み手だとすんなり理解できちゃうのだろうか。